フォンブレイバーネクスト。単体での宇宙探査計画を実行する大気圏外自律型探索機として開発された、新型のフォンブレイバー。ゼロワンからセブンまでのシリーズとは異なるスライドタイプ。 「お父さんがここしばらくばたばたしてたのはこれだったんだ」 『よろしくっす!』 机の上に立ってポーズをとるネクストを見て、元気だなあと微笑ましく見ていたなのだが、彼は「元気」というレベルではなかった。 『ところでお姉さん名前は?!』 「おねっ……?! 、だけど……」 『かあ〜! いい名前っすね! あれっ、ひょっとしてあの博士の娘さん? あんま似てないっすね? あ、お母さん似なのかー!』 お姉さん、だなんてどこのキャッチだろう。そう思うには、ネクストの性格にいまいちついていくことができず「あ、うん、ありがとう」と戸惑うばかりだった。そんな彼女に構うことなく、ネクストは一方的にぺらぺらと喋り続ける。 『いや〜俺、さんみたいな人にバディになってもらいたいな〜!』 「へ? いや、私は」 開発部だし、とが続けようとすると、ネクストは彼女の指をがしりとつかんできた。 『さん今フリーっすよね? ねね、俺なんてどうすか?』 「え、えっと〜……」 多分彼はバディがいないことを言いたいのだろうが……。フリーってなんだフリーって。そう言いたいのをぐっとこらえ、なんと返答すべきかがまごついていると、『』と聞き覚えのある声が響いた。 「セブン」 『、美作が呼んでいるぞ』 「え、部長が?」 丁度いいタイミングで来てくれたセブンに感謝しつつも、また何か父親がしでかしたのか、それとも書類に不備があったのかと、はいぶかしげな表情を浮かべ、美作の元へと向かった。 デスクに残されたセブンは彼女を見送ると、ため息をついてネクストに向き直った。 『ネクスト、をあまり困らせるんじゃない』 『いや〜、困ってる姿がかわいくってつい!』 へらりと笑うネクストに、セブンはいらっとした。 宇宙へ帰れ |