「ウワー、すーすーするー」
「何だその男子が罰ゲームでスカートはかされたときのコメントみたいなのは」
「もしかして体験談? 体験談?!」
「ばっ、んなことあるか!!」

 ぎゃあぎゃあと騒がしいのはお馴染みの・修正コンビ。二人が一緒に買出しに出るのはいつものことだった。だが今回いつもと違うのは、がスカートをはいているということ。

 彼女は制服以外にスカートをはくことはめったにない。彼女曰く、「脇ヒーローの寄宿舎お金ないじゃん、だからオークションで『女子高生使用済みズボン』って売ったんだ……」とのこと。残しておいたものは全て洗濯中。オークションの真偽は置いておくことにして、とにかく彼女は今スカートをはいていた。

「にしても風強いなー」

 余計すーすーするからやだなあ、とぶつぶつ文句を言うに修正は「さっさと済ませるか」とどこか投げやり。

 すると、よりいっそう強い風が二人の間を通り抜けたその時、は叫んだ。

「うわっ、まいっちんぐ!!」

 風が強いあまりにスカートがめくれたのだ。は慌ててスカートの前の部分を押さえる。

「な、何が起こった?! ってか古っ! ネタが分かりにく……い……」

 こんな場でもツッコミは忘れない律儀な修正は若干の下心を持って、ごく自然にを横目で見た。視線はやや下。そして、目に入るスカートの中。そこには――

「……あぁ、まぁ、俺はそうだろうと思いましたけどね」

 分かってはいたものの、少し期待をしていたらしい修正。そんな自分が馬鹿だった、と頭を抱えた。

「スカートの下にスパッツはいてないなんていうのは都市伝説です。メルヘンです」

 自己嫌悪する彼を、濁った目をして鼻で哂うだった。 



拝啓、マチコ先生。


「『今日も男子は馬鹿ですよ』……と」
「誰に手紙書いてんの?!」

2009/03/14