12/25 02:16:33

サンタを信じ、待ちくたびれた子供たちも寝た頃。


「奴」は動き出した。







…〜♪

「…もー…うるさいですよしょーりにーさん…」

「おれじゃ…ねーよ…ゆうじょーだろ?」

「えーぼくじゃないですよー2人ともー」

物音に目を覚ます努力・友情・勝利の三兄弟。

どこからか流れてくる音楽に耳を傾け、その眠気は宇宙の彼方へと一気に飛んだ。

「…なんでエクソシストの曲が流れてるんですか!!」

「誰だかけたの!!」

その時だ。

グッドイブニーングエブリワーン

「…」

「…」

「… てめェ…」

窓を開けて現れたのは黒尽くめの衣装に身を包み、ブリッジをしたままの

(鍵は閉めたはずなのにどうやって開けたんだろうか)

(ってかどうやってブリッジで開けたんだろうか)

「よっ、と。」

はブリッジから普通の体勢に立て直す。

さん何しに来たの…?」

「…  ブラックサンタさんです

は鼻で笑いつつ、指をコキャリと鳴らした。

「格好良いですねー さん!!」

「それ良いね〜!」

お前それ子供泣くぞオイ!!って何お前ら平然と褒めてんだー!!!!

ドンマイ

うぜー!!!

弟2人はにこにこと の事を褒めている。

一方兄1人が冷静であった。

は親指をグッと立て、慰めた。

「ところでブラックサンタさんは何するつもりですか…?」

「いや、プレゼント配りに。」

「…まともですか?」

「うん。はい、ちゃんと3人分あるからね。」

はベランダに置いてあった袋から3つ分の包みを取り出す。

「わー、ありがとうございます さん!」

「流石僕の友達だね!」

「…(なんかひっかかる…)」

「おっと、もうこんな時間か。じゃ、私は急ぐから!またねー。」

「ありがとう さーん!」

「また来年も宜しくねー」

もう来るな!!!

は割れた窓から去っていった。




「早速空けてみましょうよ、兄さん達。」

「そうだね、さっきから僕も気になってたんだ。」

「あいつの事だ。ろくなモンじゃねーだろ。」

そう言い、3人は包みを開けた。

が。




「「「ギャー!!!!」」」






中には臓物が入っていた。

ななななな

「あー、びっくりしたなぁ、もー」

「おおおお前なんでそんな平然としてるんだよ友情…!」

「ほら、この説明書。」

「は…?」

友情は包みの中に一緒に入っていたメモを2人に見せた。


『臓物パン
 この臓物は精巧に作られたパンです。
 人体の色々な部分があるから見せ合いっこしたりして楽しんで食べてね☆
  


「ね?」

「あっはは、 さんたらお茶目だなー、もー。」

「…」

「これ明日の朝にでも食べましょうね!」

「そうだね!どうしたの、勝利兄さん」

盛り上がる弟2人だったが、勝利はずっと黙っていた。

そして、口を開いた。






「…やっぱろくでもねーじゃねーか!!!!!」







クリスマスって楽しいよね

+++
かれこれ小学3年生から来てません、サンタ。
ちなみに事実を知ったのは小学1年。下手すると幼稚園。
あ、臓物パンって本当にあるんですよ、外国に。