今日はからりとした良い天気だ。
雲は丁度良く青空に散らばっている。
私はいつもよりかなり早くに家を出て、そんな空を眺めながら歩く。
気分が良い。
何か良いことが起こりそうな予感だ。
朝にて
がらり、と爽やかな気分で教室に入る。
そこには当たり前のパターンで、先客がいるわけだ。
「おはよう、勝利君」
「おう」
磯野勝利君。
実は、彼の正体はあのヒーローの勝利マン。 人間の体を借りているんだって。
ヒーローの時も人間の時も、負けず嫌い。 学校に来るのも一番とか、子供みたいで可愛い。
あ、ほら、試合とか観た事ある? 私は彼と知り合う前にテレビでたまたま観たんだけど、すごかったよ。
えっと、なんて言ったっけな〜あの一番最初の速い奴。 勝利君は殺そうとしてたもの。
そんな彼が小学生みたいな争いをしてて。 私は可愛いと思うな。あ、本人には内緒ね。
いつも争いの相手は生月天才君。
彼の正体もやっぱりヒーロー、天才マンだって。
……このクラス、ヒーロー多いんだね。
厚井友情君もそうじゃなかったっけ。多分。
2人はいつ見ても何かで争ってる。
ん?勝利君が一方的なのかな。
まぁよく知らないや。
「何だよ
。こっちをぼーっと見て」
「いや、勝利君って子供みたいで可愛いなーって」
「お前失礼だな。俺はこう見えてもお前よりかなり年上だぜ?」
呆れた顔で勝利君は私を見てくる。
そうなんだよね。彼、一応宇宙の人だから。
じゃあ何歳なんだろう。
「じゃあ精神年齢が子供なのかな」
「お前なぁ……」
はぁ、と彼はため息をついた。
冗談冗談、と私は思わず笑ってしまう。
この油断がいけなかったんだ。
「1人でいるときとか、戦ってる時は格好良いのにね」
私はうっかり本音を漏らしてしまった。
その位何でも無いって思う人もいるかもしれないけど、私にとっては本当に恥ずかしいこと!
はあ?! って顔して、彼は固まってしまった。
それが普通の反応だよね。うん、私もそんなこと言われたらびっくりする。
「……あ、朝練でも見に行こうかな」
「お、おい!」
「じゃっ、じゃあね!」
今の私は多分真っ赤だ。
頬に手の甲を当ててみるけど、なんか熱い気がする。
『今日は勝利君の顔、まともに見られない』
でも、これは良いことが起こったと見ていいのかなあ。
にしても、突然すぎる。心臓に悪い。
『何が起こるかわからないな、朝って』
そして私は相談をすべく、友の元へと走った。
廊下がいつもと違うように思えた。
天気の良い朝の学校でのこと。