うちの戦略家しりませんか

「ねえデュナスモン、ドゥフトモンってどこにいるの?」
「ドゥフトモン?」
「うん。洗礼のときにも見なかったんだけど……」
「オレが最後にあいつを見たのは……そうだ、思い出した。『俺は武士道を極めるんだ!!』って叫びながら出て行ったぞ」
「武士道……極めてるのかな……」
「そうだろうな……」




絶対宣言

「イグドラシル、一部のデジモンがイグドラシル以外の者を神と崇めているようですが……」
「別に良いんじゃないかな」
「だ、だが……」
「そりゃあ偶像崇拝だったら問題だと思うけど……」

 はたいして気に留めていないのか、椅子の背もたれにだらりと背を預けると口を開く。

「三大天使や四聖獣の神聖さ・神秘性に惹かれるデジモンもいるし、七大魔王の強さ・狡猾さに惹かれるデジモンもいる。仕方ないよ」

 デジモンもそこはリアルワールドと同じだろう、というのがの考えだった。加えて、一般のデジモンにとってイグドラシルとは実体のない不確かな存在。そんな神よりも、他の強い者を神として崇めた方が心の安定を得られるのだ。

「まあ、深く考えなくても平気だと思う。過激派もいるけど、大体はファンクラブみたいなものだって」
「ふぁ、ファンクラブ……」

 じゃあ自分たちものファンクラブ会員だとでも言うのか。彼女が笑う一方でロイヤルナイツは複雑な思いに唸った。




夢オチでよかった

「あなたがエグザモンだよね。初めまして、私がイグドラシルのです」
「声が小さいよ! そんなんじゃ初めましてできないよ?! ほらもう一回!!」
「は、はじめまして!!」
「もっと腹から声出せよお!! お前ならできる! できるから!!」
「はじめまして!!!!」
「はい今やっと始まった!! 俺との関係が始まったよ!!」
「ひいいいい」


「はっ、なんだ夢か……」
「ど、どうしたんですかイグドラシル、汗びっしょりですよ」
「嫌な夢を見た気がする」